活動紹介

「ゲンセン霧島巡り合うツアー」レポート

11月9日にゲンセン霧島の皆さんと、お互いの現場を巡り合い、学びを深めるためのツアーを開催しました。
ツアーは丸1日、5カ所の生産や製造、活動の現場を訪問しました。参加されたみなさんも、霧島を拠点に活動していても、中々行かない・行けない場所も多く、新しい発見も多いようでした。

ツアー当日の様子をたくさんの写真でお届けします!

壺造り黒酢を届ける坂元醸造へ

当日の朝、皆さん霧島市役所に集合。

国分から福山町に向かいます。壺造り黒酢の生産が盛んな福山町。今回は200年近く伝統製造技術を守り続けてきた坂元醸造さんを訪問。


壺畑つぼばたけ」と呼ばれる黒酢の仕込み場。太陽のエネルギーをいっぱい浴びて黒酢が育てられています。桜島と錦江湾を背景に壺が並ぶ様子は圧巻です!

まずはじめ、”坂元のくろず「壺畑」情報館”の戸髙さんから、江戸時代後期から始まった「壺を使った黒酢作りの歴史」、「坂元のくろずの製法」などを教えて頂きます!

黒酢の試飲・試食もさせて頂き、実際に味わいます。調味料という印象が強かった黒酢、炭酸や牛乳などで割って飲料であったり、ドレッシングであったり、あらゆる楽しみ方があります。

そして、すぐ外の仕込み場「壺畑」も見学。
壺畑を見渡すと、壺の上に小石が!ベテランの職人の方が、発酵状態が特に良いと判断された壺の上に置きます。口伝だけでは中々伝えにくい職人技術を、若手の方が実際の黒酢の状態から学ぶためのものだそう。

今回、案内頂いた「壺畑」情報館は、2022年に、地域に根ざした食文化に関する情報発信や学び・体験を提供する施設として「食文化ミュージアム」にも認定されています。
隣には黒酢料理が味わえるレストランも併設されており、どなたでも坂元のくろずを思う存分味わい、学べる施設になっています。

焼酎を造る”国分酒造”へ

鹿児島の代表的な特産と言えば焼酎。
地元霧島では晩酌酒として親しまれている「さつま国分」をはじめ、100年程前に栽培されていた 蔓無源氏つるなしげんじという芋で造られた「安田」や、フレーバー焼酎「フラミンゴオレンジ」などを造る国分酒造さんを訪問。

国分の市街地から山道を少し進んだところにある国分酒造さん。焼酎造りに使う水は地下から組み上げた霧島山系の地下水を使用しています。

敷地内には、地元の方もよく汲みに来る焼酎の仕込み水の水汲み場が!

はじめに、笹山さんから国分酒造の歴史や、芋焼酎造りについて教えて頂きます。鹿児島では、晩酌で毎日のように飲む焼酎が、日々の試行錯誤、研究の積み重ねから、代表銘柄が生み出されていることを改めて感じます。

仕込み時期の真っ最中。農家さんから届いた芋がたくさん!

焼酎を貯蔵するタンクも見せて頂きました。

見学した日は、2日後に発売予定の「安田」の梱包作業も行われていました。
現代の名工を受賞した杜氏 安田宣久さんが杜氏人生の集大成として取り組んだ焼酎であることから「安田」と名付けられたそう。ライチを思わせる華やかな香りが特徴です。

昼食は鹿児島のふるさとレストラン”山形屋食堂”

昼食は、鹿児島空港の山形屋食堂へ。
空港の所在地でもある霧島。山形屋食堂 エアポート店では、1年を通して、季節に応じたゲンセン霧島食材のメニューが楽しめます。

皆さん、ゲンセン霧島メニューを頂きながら、休憩がてら交流。

森の中の松下さんの原木椎茸の圃場へ

続いては、嘉例川駅から5分ほど車で走った森の中にある松下さんの原木椎茸の圃場へ。

約40年、夫婦で原木にこだわり、椎茸を栽培する松下さん。ホダ木となるクヌギの植林・伐採から、椎茸の栽培・収穫まで手作業で大切に育てています。

山の奥にある圃場で中々、中々見ることができない原木椎茸の圃場に皆さん興味津々。
11月に入って、徐々に始まった椎茸。ホダ木から椎茸が!

有機野菜を育てる”もりやま農園”へ

山から海まで豊かな自然に囲まれている霧島。続いては、標高270mの高台で有機野菜を育てる、もりやま農園さんへ。

こちらは有機小松菜のハウス。農薬を使わないため、虫が入らないようにネットをかぶせて育てているそう。参加した方には、同じ農業を生業としている方もいるため、専門的な質問も!

訪問した際は、チャオレタスの畑も見せて頂きました。葉っぱが肉厚なチャオレタスは、湯通ししても食感があり、これからの時期のお鍋にも美味しいそうです!

最後の締め括りは”河内菌本舗”へ

最後は、親子三代にわたり100年以上、麹の研究を続ける河内菌本舗さんへ。

黒酢や焼酎をはじめ、「麹」と関わりが多い霧島の食。原材料としてはもちろん、家畜や水産の現場で飼料としても使われる「麹」について、詳しく教えて頂きます。

日々研究を重ねていらっしゃるからこそ、毎回異なるお話が聞けることも楽しい。

麹蔵河内の麹資料館では、「麹」の視点から歴史や鹿児島の食文化などを学ぶことができます。施設内には、レストランや売店もあり、どなたでも楽しむ事ができます。

“霧島の食”を考える意見交換

最後は、ゲンセン霧島のメンバーで意見交換会も開催。
一次産品をつくる農家の方々の視点、その素材を調理や加工をする方々の視点、様々な視点から意見交換を行いました。

今回のツアーも踏まえて、霧島の「食」について思うこと、これからどんな事が必要か、どんな事ができそうか・・・など。1時間では語りきれず、会が終わった後も皆さんのお話が止まりませんでした。

帰り際に参加いただいた皆さんと笑顔で記念写真。実際に、現場で作っている方や届けている方のお話を聞き、こだわりを生で体験すること、意見を交わす機会の重要性を改めて実感した1日でした。


ご参加いただいた方の感想を少し紹介!

  • 初めて行く所ばかりでとても貴重な時間でした。そして最後の意見交換会は皆さんの熱い思いが聞けてとても刺激になり今後の展開が楽しみでワクワクしてます。
  • 改めてゲンセン霧島の良さを認識することができました。今後はゲンセン霧島をいかにに露出して、先ずは地域住民にアピールすることを考えていかないと感じました。
  • 生産者の方々の地に足のついた説明や語りはとても説得力があり、あらためて鹿児島の、霧島の食のポテンシャルの高さに気づきました。
  • 意見交換できる機会は大切だと思いました。皆さんの気持ちが聞けてよかったと思います。

「ゲンセン霧島巡り合うツアー」にご参加下さった皆様、視察を受け入れて下さった皆様、ありがとうございました!

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