霧島の食材

黒酢

黒酢は江戸時代(約200年前)より今日まで同じ製法を守って造られています。この酢は古くから伝わる「アマン壷」(鹿児島弁で酢のことをアマンといいます。)と呼ばれる薩摩焼きの壷の中で、蒸し米と麹、天然のわき水だけを原料に、一年から三年じっくり発酵・熟成してできあがります。熟成の過程で、酢の色は深みのある琥珀色に変わり、さらにまろやかさとコクが加わります。その色から「黒酢」と呼ばれるわけです。「アマン壷」はまさに魔法の壷です。「アマン壷」に麹と蒸し米、天然のわき水を入れて、天然の気候の中に置くだけで、なぜか複雑な酢造りの過程がスムーズに行われてしまうのです。「アマン壷」の中では、仕込みから発酵完了まで、乳酸菌、酵母、酢酸菌が絶妙のバランスで増減して、酢づくりの三段階(糖化・アルコール発酵・酢酸発酵)の過程がゆるやかなカーブを描くように重複し、自然に行われています。このような複雑な発酵がスムーズに行われるには、「アマン壷」の材質や大きさ、それに霧島市の気候が欠かせません。

霧島茶

「まっ、茶いっぺ、飲んで いっきゃんせ」。鹿児島では、 あいさつ代わりに交わされていた言葉です。「おいしいお茶でも飲んで、 ゆっくりしていきませんか」 という意味で、せかせかしてけがなどしないように、お茶ちそうでもご馳走して、気分を和らげてあげたいとする思いやりの言葉です。最近では、あまり使わなくなった言葉ですが、お茶どころ鹿児島では、お茶は文化として親しまれてきました。

全国茶品評会 普通煎茶10kgの部で霧島市が『産地賞』を3年連続受賞(2017年・2018年・2019年)、霧島茶は全国に誇れるお茶となりました。このおいしい霧島茶を作りだしているのは、高冷地特有の自然の恵みと茶生産者の皆さんの努力、そして「おいしいお茶を作ろう」という目標に向かって生まれた強い結束でした。

焼酎

霧島市の醸造所は小規模な工場もあり、希少な銘柄も数多くあります。一つの市に8つの蔵元があるのは鹿児島でも珍しいことです。さて焼酎には、酒税法上甲類と乙類(本格焼酎ともいいます)があります。甲類焼酎とは、連続式蒸留機で蒸留した純度の高いアルコールを水で36度未満に薄めたものです。蒸留を連続して行うため、原材料の風味はさほど感じられません。酎ハイやサワーのベースとなります。乙類焼酎とは、単式蒸留機で蒸留したアルコール分45度以下のものです。、「旧式焼酎」とも呼ばれ、古くから作られている伝統的な焼酎です。主原料となる、芋、米、麦など素材の味を生かした焼酎で「本格焼酎」とも呼ばれています。単式蒸留の場合、甲類に比べ、蒸留の回数が少なく、アルコール分と一緒に二次もろみの原料となる芋や麦などの風味も同時に蒸留され味わい深い焼酎となります。鹿児島で製造されている焼酎は大部分が「本格焼酎」です。

畜産物

畜産王国と呼ばれる鹿児島県の中でも霧島市は県内有数の産地として、平成29年に日本一に輝いた「鹿児島黒牛」や「かごしま黒豚」、「黒さつま鶏」の生産が市内各地で盛んに行われています。霧島市で育つ牛、豚、鶏などの家畜物は、霧島山系の磨かれた水で育ち、霧島の大自然の恵をいっぱいに受けて育ちます。

水産物

霧島市には、天降川をはじめとして、大小多くの河川が流れています。平成19年には「霧島市天降川等河川環境保全条例」が制定され、市民、事業者、行政が協働して環境保全を図り、将来の世代へ良好な状態で引き継いでいくこととされています。良質な河川環境により、恵みの水は、鮎や霧島サーモン、霧島あさり、黒酢ぶり、岩ガキなどの水産物の命の水となります。

農産物

霧島は、鹿児島県本土の中央部に位置し、北に国立公園である霧島山を有し、姶良カルデラを形成する鹿児島湾に面した広大な平野が広がり、南には鹿児島のシンボル桜島がそびえる多彩な自然に恵まれた地域です。その豊かな地形・気候のもとで生産される農産物は、良質な野菜、果樹の生産を可能にし、人間の体や地球環境や優しい有機栽培や無農薬栽培の生産も盛んに行われています。

特用林産物

霧島市は特用林産物である椎茸の生産が盛んで鹿児島県内有数の産地として有名です。九州駅弁ランキング3年連続1位を獲得した駅弁「百年の旅物語かれい川」や第一工科大学、あいら農業協同組合、霧島市の3者連携で共同開発した「霧島さん家のグラノーラ」、同大学開発の上質な椎茸スナック菓子「原木椎茸と植物工場野菜のプレッツェル」と多彩な加工商品が生まれています。

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